1.備中松山城を訪ねて
平成9年に本丸の櫓や堀が復元されており、その見学が今回の目的であった。
小松山山頂(臥竜山:標高430メートル)に残る城跡へは旧登山道を登る事になるが、現在では観光道路がついて、八合目の鞴峠まで登ることが出来る。タクシーを降りて登城道を登っていくと、右手に太鼓丸の見事な石垣があり城下が見下ろせる。これを見学していよいよ大手門跡にたどり着く。
大手門は明治時代に取り壊されて今は無いが、築かれた石垣と、ごつとつとした巨大な自然石との組み合わせは訪れる者を圧倒し、素晴らしいの一語に尽きる。
門跡の石垣の間を入ると狭い枡形となっており、門内を左折すると道は右なりに登りとなっている。突き当りに土塀(重文)が修復されて保存されている。三の丸の広場を右に見て、さらに坂道と石段を登っていくと二の丸にたどり着く。
山頂を削平した二の丸は今は広場となっていて、訪れた人が弁当を食べるなど憩いの場となっているが、かつては殿舎が建っていた。
その先に石垣が築かれ一段高くなった本丸があり、木造で復元された二基の平櫓と白塀が望まれる。その本丸の奥に重要文化財の天守が、青空をバックに優雅な姿で建っているのが見える。